【相続登記の落とし穴】増改築した建物、昔のまま放置していませんか?

相続登記のご相談を受ける中で、実は非常に多いケースがあります。

それは、「亡くなられた父親が自宅を増改築(リフォーム)していたものの、登記上の床面積や構造を変更していない(建物表題部変更登記をしていない)」という事例です。

登記上の建物表題部とはどういうことですか?

下に登記簿謄本(登記事項証明書)の見本を添付しましたので、ご覧になってください。
これの上部に「表題部(主である建物の表示)」とある部分について、建物の構造、床面積などが記載されている部分のことを表題部といいます。

増改築(リフォーム)して、例えば、構造が変わったり、床面積が増減することはよくあることです。

増改築して床面積が変わった場合、何をしなければならないのですか?

建物の増改築によって床面積が増減したり、屋根の材質・階数が変わったりした場合は、原則として変更があったときから1か月以内に「建物表題部変更登記」を行う法律上の義務があります。

しかし、何十年も前に工事をしたまま放置されているケースも少なくありません。

相続手続を進める際、現地の建物と登記簿の内容が一致していないと、スムーズに相続登記を進めることができなくなってしまいます。

建物表題部変更登記を依頼する場合、誰に依頼すればいいのですか?

表題部の変更登記は、表示に関する登記の専門家である「土地家屋調査士」(国家資格者)に依頼します。

土地家屋調査士に依頼する場合、必要な書類・変更登記ができるまでの期間について教えてください。

当事務所とつながりのある土地家屋調査士に表題部変更登記をしていただく場合、事案によっても大きく変わってくるようですが、概ね以下のことを依頼者に伝えていることが多いようです。

  • 依頼時に準備する書類(例)

古い工事だと建築確認済証や工事請負契約書が残っていないことも多いですが、以下の書類を組み合わせたり、上申書を作成したりして対応しているようです。

  • 当時の建築確認済証・検査済証
    • 工事請負契約書・領収書
    • 固定資産税の課税明細書・評価証明書
    • 相続関係書類(戸籍謄本類)など
  • 手続きにかかる期間

現地の測量や図面作成、法務局の現地調査などを含め、2週間〜1か月程度が多いようです。

手続の流れと「登記の順番」について教えてください。

相続が発生している場合、手続は以下の順番で進めます。

  1. 土地家屋調査士による「建物表題部変更登記」

まず、登記事項を現在の建物の形状・面積を正しい状態に修正します。

2.司法書士による「相続登記(所有権移転登記)」

表示が正確になった後、相続人名義へと名義変更を行います。

※状況によっては、変更登記と相続登記の準備を並行して進めることも可能です。

まとめ

「昔増築したけれど書類が残っているかわからない」「何から手をつければいいか分からない」という場合もご安心ください。当事務所では土地家屋調査士と連携し、手続をサポートいたします。